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40年前の仕事。
2021-04-10
先日、お寺の補修工事がありました。

その現場は今から40年以上前、現会長が現役でバリバリ働いていた頃に施工した物件です。

本堂の入口廻りはすべて「人造研ぎ出し工法」で仕上げてあります。
人造研ぎ出しとは、砕石や天然石とセメントや顔料を混ぜ合わせた材料を塗り付け、硬化のタイミングを見て砥石やグラインダー等で研ぎ出す工法です。
半硬化の状態で水で洗い出すのが「洗い出し」で、途中までの工程はほぼ一緒です。

柱基礎部分の礎盤(そばん)やその下の礎石(そせき)、雨どいから落ちてくる水を溜める天水桶(てんすいおけ)階段廻り全般に至るまで全てです。
(名称が違っていたらすいません。)

しかも、40年前に施工したとは思えないほど綺麗な状態でびっくりしました。
もちろんひび割れや、欠け等はありますがそれすら味があって貫禄があります。
時の流れしか成しえない技ですね。


今回の補修依頼は階段袖立上り部分の浮の補修と各所爆裂部の補修、一部屋根がなくて長年雨に打たれ部分がはがれ欠けていたのでそこの補修です。
せっかく綺麗な状態なので、危険個所や必要最低限の「修繕」で対応させていただくことにしました。


今回、工事の陣頭指揮は会長。


しかも、補修したのは会長の一番弟子と二番弟子さんです。

二番弟子さんは今も岩下組に在籍していますが、(在籍52年)一番弟子さんは今、住宅の外構工事をしています。
なので今では中々見れないコンビで、貴重な光景です。
私も若いころは良くお世話になっていましたが、最近は会長含めお二方が揃う事がほとんどなかったのでホントに良い経験でした。

又、幾つになっても昔の師弟関係は変わっておらず、「おやじ、おやじ」と会長を呼んでいましたし、言いたい放題言われても「おやじが言いようけん仕方ない」と言って淡々と作業していていました。

80歳の会長が70歳の職人さんを怒っていましたが、もう二度と見ることは無いでしょうね。(笑)
偉大な輩方もやっぱり親方には逆らえません。


補修工事自体は少しでしたが、当時の資料などもちろん残っておらず、材料の配合、色合わせ、補修方法等三人で話していたみたいでした。
やっぱり経験に勝るものはあらず、最善の補修方法を導き出していました。

薄塗補修がメインの昨今、当時と同じ施工しようとしたら、恐らく工期は倍以上、予算は三倍以上かかると思われ、仕上げの質も当時以上は絶対出来ないと思います。


工事は三日間でしたが、その数十倍も貴重な体験をさせていただきました。
まだまだ綺麗な状態なので、いつまでもこのまま残して頂けると嬉しいですね。

    岩下 勉










あきらめない。
2021-03-29
桜満開ですっかり暖かくなりましたね。


先日ここで書きました「モールテックスの天板」の補修に行ってきました。

補修と言うより、建具制作時のミスで一部形が間違っていたのでその部分の追加施工です。
しかも、引き渡しまで日にちが無く順調良く施工が出来て引き渡し前日に完了予定。
全く余裕がありません。


こんな時ほど施工計画・準備を入念に行い、いざ施工開始。


ほんの一部追加施工と言っても手順は変わらないので手間はかかります。
しかも現場まで小一時間かかるので間違いや無駄はあってはなりません。
最初のプライマー処理から下塗り上塗りとドライヤーを使い乾燥を助けながら施工していきます。

上塗り完了後の翌日、追加施工分と前から塗ってあった塗り継ぎ部分のペーパー掛けを行いますが、塗った継ぎ目を分からなく(目立たなく)するこの作業が今回一番大事な所。

削りが足りないと塗り継ぎ部分が目立ってしまいますし、
逆に削り過ぎると下地のべニアまで出てきてしまいます。
荒いペーパー掛けから細かいペーパーへと丁寧に作業を進めていきました。


削り完了後、水洗い清掃し最後に汚れ防止剤を塗って施工完了。
監督さんがまだ到着していなかったので完了報告をして現場を後にしました。


直後に監督さんが到着し施工箇所を確認したのち「もうちょっと塗り継ぎが分らないようになりませんか?」
と指摘を頂きました。
正直、私も気にはなっていましたがこれ以上ペーパーで削っても余計悪くなるリスクもある為「これが限界かも」とやめていました。

監督さんから「この上から私が少し削ってみてもいいですか」と言われたので「いいですが削り過ぎだけは注して下さい」と伝えました。
そのやり取り時私は昼食をとっていましたが、気になって食後すぐに現場に戻りました。
見てみると、明らかに先ほど私がペーパー掛けした時よりも目立たなくなっていました。


見た瞬間に 反省。


私は今までの経験から勝手にこれ以上は無理だと判断していました。
判断というよりか諦めてしまっていたのかも。

一回り以上年下の監督さんが諦めずに一生懸命ペーパー掛けをしたと思うと情けなくなりました。


そうですのね。
自分達にとっては少しの事でも、お客様にとってみれば一生物。
妥協しては絶対にダメです。


その後、他の箇所ももう一度ペーパー掛けを行い再度完了しました。
それでも目立たなくはなったものの塗り継ぎは判ってしまいます。
しかし最初に比べれば一目瞭然。

「こんなもんだろう」と思ってしまえばそれ以上の進歩はありません。

何事も今出来る精一杯の努力をすることが大切です。
精一杯の努力を積み重ねることで少しずつ上の段階へ上がって行けるのだと思います。

今回、若い監督さんの【あきらめない】気持ちがこの年になって益々勉強になりました。


     岩下 勉

ケド、 建具屋さんが間違わなければ良かっただけですが…












完成。
2021-03-01
早いものでもう三月ですね。

先週から仕上げ施工していた[モールテックス天板]が完成しました。

今回、キッチンカウンターの天板が二枚。

本来は建てつけたキッチンを現地へ施工しに行く所ですが、[モールテックス]は最初から最後までの工程が5.6工程あり、乾燥期間を含めると一週間以上かかります。
工程毎に現地行くことになると、1.2時間だけの作業でもへ行かなくいけないので移動時間がもったいないです。

そこで今回、元請けさんに相談して建具屋さんから天板のみ会社へ運んでいただく事に。
会社の倉庫だと何時でも出来ますし、時間のロスや余計な経費も掛かりません。
一石二鳥です。

そんなこんなで無事運ばれてきた一枚目の天板。

しかし二枚目の天板が入ってきたのがそれから一週間後。
さらに「天板取付は一週間後です」と告げて建具屋さんはとっとと帰って行きました。

結局一週間(実働六日間)で仕上げる事に。

もちろん出来なくはないですが、もう少し落ち着いてしたいな。
失敗はおろか乾燥期間もギリギリ。
でも逆にやる気のスイッチが入ります。

早速、元請けさんに塗る範囲の確認、注意事項等の打ち合わせをし作業開始。

汚さないように裏側の仕上がっている面を養生しプライマー塗布。
二日目、開口部廻りの補強メッシュ貼り、下塗り、全面メッシュ入れ。
三日目、折り返しの裏面側の仕上げ塗り
四日目、全面仕上げ塗り
五日目、研磨掛け、水洗い、汚れ防止剤塗り1回目
六日目、汚れ防止剤塗り2回目


ようやく完成。


途中、塗り忘れが発覚して焦りましたが、何とか間に合いました。(先に気づいて良かったです)

今まで練習や見本作りで何度となく塗りましたが、出来としては一番良かったのではないかと思います。


しかし、出来を判断するのはお客様です。
出来栄えの判断基準は人それぞれ。


何度も言いますがこの「モールテックス」
仕上がりのテクスチャー(色むら、コテむら、パターンつけ等)が非常に難しいです。
粗目、普通、なめらか等意図的に出来るまでは相当練習や実践を積まなくてはなりません。
問題点や改善点もまだまだ沢山あります。
だからこそ熱くなれるのかもしれません。

今後、もっともっといいものを作れるように研究努力したいと思います。

今回も大変勉強になりました。

岩下 勉


追伸
後日、確認してきましたが無事に取付られていました。



見本作り。
2021-02-15
2月に入って比較的暖かい日が続くので作業がはかどりますね

現在、今度施工予定の「キッチンカウンター天板モールテックス仕上げ」の見本作りをしています。

以前ここでも何度か取り上げましたモールテックス。
カウンターや水槽台など練習を兼ねて会社事務所で施工はしましたが、今回は新築個人住宅のキッチンカウンター天板の仕上げ。
本番です。
もちろんいつもお世話になっている住宅左官の工務店さんのしごとですでよ。

外壁でのモールテックス本施工は経験ありますが、個人住宅のしかもキッチンカウンターは初なので力が入りますね。


力が空回りしないように入念に準備開始。


まずは元請けさんにカウンターの大きさ、カラーチャート(仕上げ色)、汚れ防止剤の確認すると設計段階ですべて決まっていたようなので良かったです。

会社倉庫の材料を確認すると顔料や汚れ保護剤、専用攪拌液が無かったので購入する事に。

以前は東京の正規代理店から購入していたので数日かかっていましたが、今は【福岡】に支店が出来ていて、なんとすぐ近所。
電話で在庫の確認後その日のうちに購入出来ました。
今後、急な事があっても心配なさそうです。

今回のキッチンカウンター、厚みが3㎝程あり天板から小口まで施工します。
なので見本も天端と小口が必要なので、3㎝厚のスタイロフォームを使う事に。

見本なので持ち運びしやすい300×400の大きさで作成し、プライマー塗布・1回目塗り・翌日二回目塗り、三回目塗り・研磨掛け・水洗い・汚れ防止液一回目塗り、二回目塗りで完成。

見本板完成と同時に建具屋さんから、本物カウンター一が事務に運ばれてきました。

さて、これからが本番。
最後まで気を引き締めて頑張ります。

     岩下 勉

     





職人さんあるある。
2021-01-23
夜明けの早さは感じませんが、日はだいぶ長くなりましたね。
ここ二、三日は暖かいですが又寒くなりそうです。

ちょとネタ切れなので視点を変えて今回は
【職人さんあるある】(年配の方編)ネタでも。


・新品の道具や機械は使いたがらない

・忙しい時は休むが暇なときは絶対休まない

・三つ説明すると一つ目は忘れる

・朝8時前後の電話はろくな電話じゃない

・砂はね中は話しかけてはいけない

・間違っていることを平然と言う

・どうでもいい話はするが、大事な話程してくれない

・自分の車や道具は異常にきれい

・コーヒー大好き

・最近の記憶力は無いが、昔の話は異常に覚えている

・寒さ、暑さに強い

・プレミックスなのに色々混ぜたがる

・車(中身)に詳しい

・道に詳しい

・同じ出身地が多い

・まだ柔いのに土間に上がりたがる

・手摺天端押えが好き

・モルタルは得意、薄塗りは苦手

・仲が良いのか悪いのはよく分からない

・雪が降ったら出てこない

・雨が降っても出てこない

・帰り支度が異常に速い

・現場監督に強い

・集合時間の30分前には来る

・機械壊しても言わない

・基本せっかち

・二言目には知らない、聞いてないと言う

・分かったと言って分かっていない

・全然違う事をやっている事がある


いかがでしょうか
皆さん思い当たる節があるのでは…

でも職人さん大好きです。
(特定した片を言っているわけではありませんので)

岩下 勉



雪。
2021-01-09
天気予報通りの大雪になりました。
年末も雪予報でしたが、そこまで降りませんでした。

今回は予報通り木曜日から急激に寒く雨がみぞれ交じりになり、夕方から明け方にかけて雪となりました。
朝、5時過ぎに外へ出てみると道路があたり一面真っ白で、久々に見る光景でした。


もちろん現場作業は中止。


雪国の方たちは毎年の事でしょうから対策等もしっかり出来ているでしょうけど、ここいらでは道路に少し雪が積もっただけでも右往左往し、年配の職人さんはまず出てきません。

もし仮にどうにか現場にたどり着いても、おそらく水が出ないでしょうし、気温5度以下になると材料自体に効果不良等不具合が出てしまうので、出来ても段取り程度です。


危険を冒してまですることではありませんね。


毎年一日ぐらいは雪や寒さで作業できない日はありますが、今回のように三日も続くと正直きついですね。

職人さんにとっては基本日給月給なので働いた日にち分しかお給料はありません。
三日以上休みとなると生活に負担がかかります。

数年前は一人親方のような形態で雇用していたので悪天候に対しての給料は払えませんでしたが、現在は職人さんを全員正社員として雇用しているので有給休暇を活用出来き良い環境で働けるようになったのではないかと思います。


来週から作業再開できますように。

    岩下 勉



あけましておめでとうございます。
2021-01-05
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

年末、年始は寒かったですね。

今年は年始の行事が軒並み中止か、規模を縮小してあいさつ程度で終わりです。
今時期しょうがないですね。

毎年恒例、商売繁盛の神様「十日恵比須神社」の参拝も、本来は正月大祭が行われる1月8日~1月11日の間に行くのですが、今年は『蜜』を避ける意味で、仕事始めの昨日行ってまいりました。

やはり時期が早いのとコロナ禍の影響で人は少なかったです。
歩道に立ち並ぶ屋台も今年はありませんでした。(正月大祭時はいるかもですが)

全従業員の無事故・無災害・無コロナと益々の商売繁盛をお願いしてきました。

今年一年はまだまだコロナの影響があると思いますので、商売繁盛というより無事に一年過ごせればいいですね。


では今年も一年宜しくお願いします。
 
       岩下 勉


年末年始休暇の案内。
2020-12-22
やっと冬らしくなりましたね。
 
12月30日~1月4日まで冬期休暇とさせていただきます。
 
毎年この時期は生コン日程で頭を痛めますが、今年は今時期にしては現場数も少ないせいかうまくいっていて一安心です。
あと、ここ最近まとまった雨が降っていないので、雨による順延がほとんどないのもうまくいっている理由です。
我々が仕事をする上で雨が降らないに越したことはありませんが、雨が降らないと商売にならない方もいると思いますで悩ましい所ですね。
 
今年は一年『コロナ禍』の影響でほとんどのイベント、行事、集まりが無くなりました。
 
 
一年前には想像も出来なかった世界です。
 
 
おかげさまで今のところ仕事に影響はほとんど影響出ていませんが、来年、再来年、その後はどうなってくか見当もつきません。
最終的には個々の心がけが一番重要な事だと思います。
 
 
仕事納めまであと一週間。
無事故、無災害、無コロナで新年を迎えたいですね。
 
         岩下 勉
 
 
レベリングの注意点。
2020-12-14
今週からすっかり寒くなりましたね。
 
ここで何度かお話ししたレベリングの件での問題点、注意点を書こうと思います。
 
まずは第一に塗り厚(流す厚み)
レベリングは材料が高額の為、最低塗り厚で済む10㎜程度で予定・予算組がされます。
 
レベリングを流す下地は基本コンクリート金鏝押えです。
コンクリート打設時にオートレベルで基準となる高さを出し、長さ1m~2m程の均しトンボで平滑にし、乾き具合い(水引具合)を見て金鏝で仕上げます。
 
コンクリート金鏝仕上げといっても種類が色々ありまして
「コンクリート金鏝素地仕上げ(コンクリート地そのまま)」「シート張り下地」「フローリング下地」「防水下地」「塗床下地」「モルタル塗り下地」等様々です。
 
数あるコンクリート金鏝仕上げの中でも仕上げ高さに気を付けてなくてはならないトップクラスが【レベリング下地】です。
 
もちろんどんな下地や仕上げでも注意しなくてはいけませんが、レベリング下地は下地が高すぎるとレベリング材がにうまく流れなくてきれいならなかったり、最悪斫ったりと下地が高さすぎるのはご法度。
 
なのでどうしても基準点より高くならないように、高くならないように意識するため、予定以上に低くなってしまいます。
 
低い分には施工面での問題はありませんが、その分使用するレベリングの材料が多くなります。
材料が多くなる=材料費が上がる=予算が足りなくなるです。
本来10㎜の厚さレベリング流す予定でも15㎜流しては当然材料費が1.5倍になります。
 
今までの経験上レベリングを10㎜程度で流せた事はありません。
見積り時にレベリング厚み10㎜と書いてあっても15㎜厚程度の予算組が必要です。
 
今回の現場では厚み15㎜で予定していましたが、20㎜以上ありましたので完全に予算オーバー
反省・反省。
 
今後、今回のようにレベリングの面積が多い現場では、コンクリート打設の前日に天端ポイントで当りを出し、オートレベルと天端ポイントの二段構えでレベリング下地の精度向上させたいと思います。
 
 
二点目はレベリング打設後の【クラック(ひび割れ)と浮き】です。
 
 
一番最初にレベリングを流す場所の段取りをしていて、コンクリート下地面に一部クラックが入っていました。
クラック自体はどの現場でも多少ありますので気にしていませんでしたが、打設後レベリングにも同じようにクラックが入りました。
 
クラックの上に施工すると、同じようにクラックが入る事があるのですが、下地のクラックより多く入っている感じでした。
 
何か原因があるのではと考え、現場をよく観察すると「直射日光」でした。
レベリングは風厳禁なので窓ガラスは全て閉めていますが、直射日光は入ってきます。
日が当たるとどうしてもその部分だけが乾燥が早くなりひび割れの原因となってしまいます。(他の原因もあると思いますが)
そこで元請けさんに相談し、窓ガラスの外から光が入らないようにシートで養生してもらう事に
そのかいあってか次に打設した直射日光面はひび割れゼロでした。
 
その後、打設は順調に進みますが、最初に打設した一週間くらい経ってから今度は「浮き」が見つかりました。
 
今までレベリングを打設して浮いたことは一度もありません。
 
レベリングの施工手順は下地の清掃・墨出し・当り出し・プライマー塗布2回・レベリング打設です。
 
清掃は掃除機できれいにしますし、プライマーもメーカー指定品を指定希釈で2回塗布、あとは流すだけなので浮きの原因が分かりませんでした。
一部コンクリート金鏝仕上げの際夕方雨が降ってきて表面を雨に打たれてしまいましたが、その面はポリッシャーで表面を削るなどして対策しています。
 
少量でも浮いてしまってはいけないので、材料メーカーさんを呼んで原因究明したところ、同じような場所で浮いているのですが原因がはっきりとは分かりません。
 
元請けさんは直射実行がダメと言えばシート養生をしてくれ、風ダメならマスカを貼ってくれ、掃除も掃除機で率先してやって頂きホントに良くして頂いています。
 
今まで打設した分が浮いてしまったはどうしようもありませんが、今から打設するところは何とか浮き阻止せねばなりません。
 
そこでメーカーさんと協議の上、プライマーの希釈を変更し少し濃ゆくしました。
 
又、レベリングの打設時も今まではトンボで普通に均していましたが、イボイボのついた空気抜き専用ローラーを使用してその後トンボで均す事にしました。
 
 
結果クラックも浮きもそれ以降全く出ませんでした。
 
 
まとめとして
下地コンクリートの高さ、金鏝仕上げの精度、直射日光、風、下地によってのプライマー希釈の変更、レベリング打設時の専用ローラー使用等が特に注する点だと思います。
打設後の状況によって臨機応変に対応することが重要な事ですね。
元請けさんが先手先手で対応して頂けたので非常に助かりました。
感謝・感謝。
 
今後も勉強が必要です。
 
              岩下 勉
 
 
 
 
 
 
現代しっくい講習会。
2020-12-07
先週の日曜日、現代しっくい講習会が福岡市左官会館で行われ、私はお手伝いに行ってきました。
 
「現代しっくい」とは石膏ボード下地の上に塗る塗り放し仕上げの漆喰です。
 
漆喰のイメージは各地にあるお城の外壁に塗られていて、高級注文住宅のこだわりを持ったお施主さんしかしか使われていないイメージが強いと思いますが、新築一般的な住宅室内の石膏ボードの上やリフォーム時のビニルクロスの上からでも簡単に施工出来るように考えられたものが「現代しっくい」です。
 
 
事の発端は数年以上前から言われている高齢化に伴う職人不足と人口減少による新築住宅着工戸数減少、空き家の減少等様々な理由から仕事が減っていくという事実がいよいよ現実問題になって来ました。
 
我々左官業界としてどうするのかを考えた結果、昔ながらの漆喰に着目し、漆喰壁を増やしていこうと日左連・自民党左官業振興議員連盟・日本漆喰協会・が勉強会を重ね、関係各所のご尽力により公共工事標準仕様書にしっくい塗りが復活することになりました。
(自民党左官業振興議員連盟とは左官業を応援して下さる衆参国会議員の先生方で構成される組織です。)
 
自民党の先生方や国交省の先生・役所の方々のご協力で公共工事標準仕様書に復活した現代しっくい。
 
後は我々左官業界がどのように展開していくかがカギにになっていきます。
 
そこで、しっくい需要拡大向け【PR活動・漆喰の性能評価・しっくいのJIS化標準化・公共工事標準仕様書の復活】が必須となりました。
公共工事標準仕様書復活はすでに出来ましたので、性能評価やJIS化は材料メーカーさんにお願いをし、我々左官業社はPR活動・施工方法の標準化・材料の標準化を全国的に展開していく事に。
 
 
今までの漆喰仕上げでは施工業者によって施工方法や仕上がり、材料に至るまでばらつきが非常に多かったと思います。
それを全国的にある程度標準化し全国各地で安心してしっくい壁を購入して頂ける様「日左連認定現代しっくい講習会」が昨年末からスタートしました。
 
 
事前に全国10ブロックから選抜された腕利き30名程でインストラクター講習会を開催。
しっくい普及推進プロジェクトの概要・しっくいの概論・日本のしっくいと世界のしっくい・施工要領等DVDによる学科講習が4時間あり、午後からは実技講習。
学科講習で習った下地の作り方や、ボードビスピッチの確認、パテ処理の方法、下塗り方法、仕上がりテクスチャーの付け方等皆で共有していきます。
 
 
ここから先は選抜インストラクターが講師となって各ブロックでブロック単位、県連単位で施工講習会を開き全国に水平展開られていく仕組みです。
この講習会を受ければ、しっくいの施工経験がない左官屋さんでもきっとどうすればよいか一目瞭然です。
もちろん多少の経験は必要でしょうが、普通の左官屋さんであれば全然できるはずです。
 
 
ここまで私事のように長々説明してきましたが、これらはすべて日左連の方々が数年かけてやってこられたことです。
私は福岡県左官業組合連合会での講習会でお手伝いしているにすぎません。
本当にここまでご尽力いただいた方々には頭が下がります。
感謝・感謝。
 
 
本来は昨年末から今年にかけて全国で講習会を行う予定でしたが、まさかの『コロナ禍』
 
最近やっと少しずつですが各地で講習会が再開されております。
 
現代しっくいについては、まだまだ書くことがありますので少しずご報告させていただきます。
 
          岩下 勉
 
 
 
 
 
 
 
 
株式会社岩下組
〒814-0165
福岡県福岡市早良区次郎丸2丁目12番6号
TEL.092-874-2977
FAX.092-874-2978
左官工事
 
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